社会福祉士 ノルウェー オスロ編④
2015.05.13
「Sagene区 NAV(ハローワーク+市民課)」
所長さんから説明してもらった。
オスロは15の区。3.3%の失業率(他国との貿易、石油価格の下落)
NAVの仕事
・職を失った人への支援
・自分のお金で生活するころの指導・助言
・貧困からの脱出。尊厳のある生活をすることが大切
このNAVを利用する人は①失業した人②病気などで失業した人(再就職は難しい)
生活費を保障する。失業した人には日給の権利あり。(2年間保証される。前の給与の62%)
○会社の都合で失業した人の70%は自分で仕事を見つけられる。→残りの30%の人に対しては3か月後に面談になる。
◎どんな仕事に就きたいのかを面談し、計画を立てる。→計画書には職を得るための講習会に参加することなども含む。
(コンピューター、建築などの知識を得る講習会などにも参加してもらう)
◎NAVの職員は労働市場をよく知らないといけない。
能力はあるので自分で仕事を見つけることは比較的やさしい。
企業実習3か月間(もう3か月間延長は可能)→企業に対して補助金が出る。
その後企業が本採用すると7、5、3割の給与補助金が出る。(その人に応じて)
○病気や障がいで働く能力が制限された人達:給与の100%休業補償(1年間)
このケースでは半年後にNAVが関わってくる。
(半年後に面談。本人、雇用主、NAV、医師)早いうちに支援を始めれば復職も早い。
→その後は適正・機能を持っているかを明らかにする。
補助金が出る。(この補助金は病名と50%以上は病気のために仕事ができないことの証明が必要)
→補助金を支給している対象者にはNAVの職員が付く。
※この補助金は4年間支給される。
早いうちに就職してほしい。カウンセラーとNAVの職員とで計画書を作成する。
○重い病気の人もいる。まずは治療を必要とする人もいる。(治療計画の作成)
●福祉施設(企業)と協力している。・・・計画書にはどんな仕事に就きたいのか、戻りたいのか書いてある。→企業実習
○求職者がどのくらい仕事ができるのか
①APS(実習)・・・調整(保護)された環境での実習
②APO・・・通常の企業内実習(状態が良い人たち)
③ジョブコーチ付の就職
福祉施設
(企業)から一般企業へ就職するケースもある。
※NAVは福祉施設(企業)へお金を払っている。
→福祉施設を通らずに一般企業へ就職することをNAVは望んでいる。
◎福祉施設(企業)で実習するよりも一般企業で実習を受けた方が再就職しやすい。
・資格があると就職しやすい。
○福祉施設(企業)の目的は Training +place
(訓練) (居場所)
実習中の人 1人につき 2,000NK/月 施設に支給している。
給与の5~7割を支給している場合は20,000/月(3~6か月の間のみ)
◎試験的な対策:給与の4割を支給(3年間)
(企業が給与を支給。その4割をNAVが補助)※このような場合職員が20名位を担当。)
病気を抱えている人達に対するアフターケア、フォローアップが良い効果を生んでいる。
※成功するための秘訣はNAVのフォローアップ
(雇用主に対するフォローアップが必要)
職員1人が120人位を担当(フォローアップできる職員を増やしたい。)
所長さんに質問をした。
Q:大企業に対する雇用の啓もう活動は?
A:大企業の人事課に対するアプローチはしている。家具のチェーン店「イケヤ」、道路建設会社と契約を結んでいたこともある。中小企業の方が理解してもらいやすい。NAVは数年前に大きな改革をした。基本的な目的は失業者が就職すること。制限されることを考えるのではなく、可能性を考える。重度の方は就職できない場合もある。職に就けない重度の人①病名・診断名(医師)②職業訓練・実習を受けた証明などの報告書・能力分析書を提出することで障がい年金が支給される。(支給条件は厳しい)政治家の要求は障がい者の就職。
Q:どんな障がいの人が就職が難しいのか?
A:精神が難しい。内部障がいの人は少ない。骨の痛みを感じる人が多くなっている。
※市営アパート2,500戸(障がい者が優先して入居)
※ノルウェーは貧富の差がある。
Q:自治体のNAVと国立のNAVの違いは?
A
:自治体は麻薬、難民、生活保護者が対象、国立は雇用につなげる人が対象。
オスロ中央駅からカール・ヨハン通りを歩いて20分位のところに王宮が建っており、月曜から金曜の13:30に紺色の服を着た衛兵の交代式が行われる。
NAV(ハローワーク+市民課)が入っている建物