社会福祉士 海外視察 デンマーク・コペンハーゲン編②
2015.04.20
自閉症や知的障がいを持つ人への就労提供(人材派遣)を行っている世界的にも、自閉症者をITビジネスのコンサルタントグループにした先駆的企業「スペシャリスト」を訪問しました。「スペシャリスト」は息子が自閉症のトーキン・ソンネ氏が2004年に創業した会社です。
世界13か国(デンマーク、スペイン、ノルウェー、アイスランド、イギリス、ドイツ、オーストラリア、スペイン、アメリカ、カナダ、インドなど)、24か所に会社があります。
説明をしてくれたのがCOOのヘンリックさん(Mr.Henrik Thomsen)です。
企業理念は自閉症の人を労働市場に入れることです。「スペシャリスト」は4分野あります。
それは①評価②トレーニング③コンサルタント④リクルートです。
ドイツのソフトウェアメーカーSAPでは、自閉症者をソフトウェアウェア技術者として採用した結果生産性の向上など経済的メリットだけではなく自閉症者にも有意義な仕事であることが分かり「自閉症を持つ人の特性を活かすことがSAPの競争力の強みになる」「違った考え方をする人材を雇用することでのみイノベーションを起こすことができる」
と考えています。2020年までに社員65,000人の1%の自閉症者の受け入れをする計画があります。
自閉症者を雇用し、ソフトウェアーテストの技術者として訓練、職場支援をするデンマークの企業「スペシャリスト」。自閉症者をソフトウェアーテスト技術者、プログラマー、データー品質管理のスペシャリストとして雇用していくことで、自閉症者の世界的雇用の拡大につなげていくそうです。
コペンハーゲン青年ガイダンスセンターの障がいを持つ人などの職業訓練コースSTUの実習生の受け入れを行っています。実習の内容は①洗濯②家事③国語・算数・レゴです。
6人のコンサルタントが2人の実習生を指導していますが、見て学ぶ(先輩の行うことを見る)をモットーとしています。
またSTUを終えた人を雇用し、企業に人材紹介もしています。人材紹介には3つの面をみます。①社交性 ②職業能力 ③症状(病状)。社交性がないと他の社員と一緒にやれません。一番大事なことです。
「スペシャリスト」内の施設を見学していて、漫画が描かれている部屋があったり(漫画がゲームソフトのバッググランドになるのだそうです。)、レゴブロックを使い、創作活動をしたり、音楽活動の部屋があったりと自由な発想ができる教育環境に配慮されているとの印象を強く持ちました。日本にも「スペシャリスト」の支社を出したく、マーケッティングのために職員を派遣しているとのことでした。
COOのヘンリック氏