農福連携 ~実践作業の紹介~
2022.11.22
冬の訪れを感じる季節となりました。
あぐりサポートセンターでは、農家と福祉施設をつなぐ業務を行っておりますが、
これからの時期、新潟は農閑期となるため、直ぐの作業ではなく来春からの作業についての相談を受けることが多くなっています。
さて今回は、福祉施設へつないだ作業から、2ヶ所の作業をご紹介したいと思います。
最初の紹介は、球根栽培での【掘り取り作業】と【出荷前の調整作業】です。
切り花ではなく、チューリップや水仙等の球根栽培なので、花が咲いた後もそのまま葉や茎が枯れるまで畑で球根を生育します。
掘り取り作業は機械で掘り起こした球根を、人の手で土の中に残っていないか確認しながら拾い集めます。その後、乾かした球根の根を取ったり、大きさで分けたりキズ等の確認をしてから出荷となります。掘り取る作業は、畑内でしゃがみながら行うので体力・根気のいる作業、選別作業は大きさを分けたり、傷んだものを除いたりするので判断力・集中力が必要な作業でした。
次の紹介は【ボイセンベリーの収穫作業】です。
ボイセンベリーは木イチゴの一種で栄養価の高い果実ですが新潟での生産は珍しいです。
果実は緑から赤、そして黒へと色が変わりますが、黒に近いモノを見極めて収穫します。
色を見極めながら手で収穫しますので、つぶさないように気をつける必要もあります。
収穫物はその日のうちに加工処理するため、最盛期は早朝から収穫作業を行っていると生産者の方は話されています。一定の速さも求められる作業になります。
今回、紹介した作業は農業者が行う作業の一部を請負作業として依頼していますが、「計画的に作業を進めることができるようになった」「手が足りずに困っていた。適期にすべて収穫ができて良かった」と農業者からの声を頂いています。また作業に参加した福祉施設からは、「今まで経験できなかった作業を行う事で利用者の新たな一面がみることができた」との言葉を頂いています。しかし、良い言葉ばかりではなく、作業効率や作業方法について等での相談事もあります。
双方をつなぐ立場として、最初の段階で考えられるデメリットも伝えながら、理解を得られるよう言葉を重ねています。
理解し合える関係ができ連携が継続していくために、可能なサポートを今後も行っていきたいと思っています。
(球根掘り取り作業の様子)
(ボイセンベリーの果実)