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新潟市あぐりサポートセンターです

2023.10.23

新潟市あぐりサポートセンターは、開設から9年になりました。

新潟にとって主要な産業の1つである農業分野での【労働力不足】【放棄地増加】の課題と、障がい福祉分野での【働く場・経験できる場の不足】の課題。双方を繋ぐことで課題解決の1つになるとの期待で開設されました。

 

 昨年末に、当センターについて話をさせて頂く場があり、今までを振り返る機会となりました。以下はその際の原稿になりますが、ご一読頂けたら幸いです。

 

 

新潟市あぐりサポートセンターでは、障がい福祉施設に通っている方々の【働く場】として農業との関わりを広げ、継続的な連携ができるように取り組んでいるところですが、まずは農業者に障がいある方の働く姿を見てもらえる【きっかけつくり】を行い、その後も継続的な連携となる様に取り組んでいます。

 

農業者の方に【障がいある方】と伝えると、【重度の方】をイメージされることが多く、施設で行っている作業や支援員が同行して作業をすること等、お伝えするのですが直ぐには理解してもらえず、『出来る仕事、あるわけがない』と言われたことも多々ありました。少しずつ理解者を増やしていく事と、農福連携の全国的な動きが重なる事で新潟市内でも作業連携の数を増やす事が出来ました。

 

 農業は、仕事が重なって計画的に休みが取れない時期もありますが、その重なっている作業を細かく分けてみると【農業者でなくても可能な作業】もあります。

例えば、おコメをつくる事を考えた場合で田植え時期の作業では、種をまいて苗を育てる準備や水田を田植えができる状態に準備など、作業が重なり休む時間をとる事が難しくなると聞いています。大きな機械を使って水田を耕す作業や苗を管理することは【農業者でなければできない仕事】になりますが、種をまく専用の箱に土を入れる作業、田植えが終わった後に箱を洗う作業は農業者でなくても【やり方を理解できれば、誰でも出来る作業】になります。

このように作業を分けて考え【農業者でなくてもできる作業】を、他者に任せる事で

以前は田植えが終わるまでは休みなく働いていた農業者が、計画的な休暇の取得や空いた時間での営業活動が可能になります。

 

農作業に関わった福祉側からの声を、少しお伝えさせてください。

施設内の作業で、時折トイレに篭りがちだった利用者が農作業に行ったところ、ご本人に合った作業だったようで、それ以降は意欲的に作業をする姿が見られたそうです。

毎年、決まった時期の作業を受託している施設では、時期が近づいてくると『今年も行ける』と職員に尋ねてくる利用者がいて、作業を楽しみにしている姿がみられるとの話を聞くこともありました。

また、牛舎での作業に関わった際の事になりますが、きれいに管理されている牛舎でも独特の匂いがあることから、職員間では仕事を受けるか意見が分かれたそうです。しかし、職員と利用者が一緒に体験作業を行ったところ、利用者が牛に声をかけながら餌を配り、牛が顔を近づけても笑顔で掃除をする姿を眼にしたことで、作業の実施を決めたとの話もありました。

 

 

当センターは1つの作業と福祉施設を繋ぐのではなく、農業者と福祉施設を繋ぎ1回の作業で終わる関係ではなく、その作業をきっかけに継続して作業連携できる関係をつくれるように、コミュニケーションを沢山取ってほしいと伝えています。

最初は【草取り】の依頼であっても、実際に作業する姿を農業者が見る事や福祉側が今まで行ってきた作業を話すことから『それなら、こんな仕事もできるだろうか?』と仕事が広がったこともありました。

 

作業の内容では当初は【農家に出向いて行う作業】が多かったですが、最近では福祉施設内で行える作業の依頼も増えてきました。出荷用ダンボール箱の組み立てや袋にシールを貼る作業、収穫物をサイズ別に分けて袋詰めする作業、または農産物を加工する作業を実施しているところもあります。施設内で行う作業では、外に出る作業が難しい利用者も参加することができています。

 

身近な地域の農業者と作業を継続することで、利用者と農業者が顔見知りになり、外で声を掛け合う事があったそうです。利用者が家で作業先の話をすることで『ご家族が、その農業者の農産物を購入するようになった』との話もありました。

また一部分でも、農作業に関わったことで『販売までの手間を知り、『今まで高いと思っていた農産物の価格が、反対に安いと思える様になった』との話も聞いています。

1つ1つは小さい出来事ですが、継続していく事で【地域のつながり】ができていると感じています。

 

【様々な繋がりの始まり】をつくり、今後も農業分野で障がいある方が活躍していけるよう取り組んでいきたいと思っています。

 

≪長文にお付き合い頂き、有難うございました≫

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2025年、4月。 新たな”仲間が。・”